渡辺竜王が大逆転防衛 羽生名人永世七冠ならず

渡辺竜王が大逆転防衛 羽生名人永世七冠ならず

将棋の第21期竜王戦七番勝負第7局が、山形県天童市「ほほえみの宿 滝の湯」で行われ、大激戦の末後手番の渡辺竜王が140手で勝利、竜王5連覇で規定により永世竜王の資格を得ました。

一方の羽生名人は、3連勝と王手をかけた後のまさかの4連敗。3連勝後4連敗は将棋界史上初の出来事で、注目されていた「永世七冠」はなりませんでした。


◆ 竜王:渡辺明(わたなべあきら)
史上4人目の中学生棋士としてプロデビュー。
20歳で初タイトル竜王を獲得し、今回の防衛で5連覇を達成。規定(5連覇か通算7期)により永世竜王の資格を獲得。

◆ 挑戦者:羽生善治(はぶよしはる)
史上3人目の中学生棋士としてプロデビュー。
19歳で初タイトル竜王を獲得。その後の獲得数は名人5、竜王6、棋聖7、王位12、王座17、棋王13、王将11の計71期は歴代2位の記録。
1996年2月14日には、前人未踏の将棋界7大タイトルを独占する快挙を達成。人気、実力とも、将棋界のスーパースターといえる存在。現在は名人、棋聖、王将、王座の4冠を保持。
今回の挑戦時で、既に竜王を除く永世(王座は名誉)の称号を獲得していたため、今回竜王を奪取すれば通算7期となり永世竜王も獲得、またしても前人未踏の「永世七冠」を達成するところでしたが、阻まれました。


第21期竜王戦を振り返ると、第1局、第2局は接戦ながら羽生名人の大局観が光っての勝利、第3局も羽生名人が圧倒し、内容的に見ても全局羽生名人が押している内容だったように思います。

羽生名人3連勝で迎えた第4局は、羽生名人が若干有利といわれながらも非常に難解な終盤戦に突入し、羽生名人に勝利の可能性があったものの、結局うっちゃる形で渡辺竜王が初勝利をあげました。結果的に、この第4局がシリーズの流れを大きく変えることになりました。

続く第5局、第6局はこれまでと違って、渡辺竜王の完勝譜。

まるで別人となってしまった両者でしたが、最終第7局も、第4局と同じかそれ以上の白熱した戦いになりました。中盤、羽生名人意表の「9二と」には驚かされましたが、その大局観に誤りはなく、徐々に羽生名人が優勢を広げていっていたように思います。

ところが、終盤に入って疑問手を連発。非常に難解な終盤戦で二転、三転したものの、羽生名人が何度もあったチャンスを逃してしまった結果、見事渡辺竜王が勝ちきりました。

本局は死闘と呼ぶにふさわしい白熱した対局でした。おそらく、かなりの数の将棋ファンが熱戦を見守っていたものと思います。まだ棋譜をご覧になっていない方は、公式サイトから二人の激闘を確認してみましょう。

第21期竜王戦

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